丘をさがして

9月のおわり、フェリーで瀬戸内海を渡り、はじめての愛媛へ。

丘の風景を求めて、高知との境目にある四国カルストへいってきました。

車でひたすらに山を登り、細いくねくね道を進んで空が近くなってきたと思ったら、

ふっと視界が広がって、どーんと丘が見えました。


美しいとかすばらしいとかを通り越して、圧倒的にすごい、としか言いようのない場所。

空気も普通の山とは少しちがう、香ばしい草の澄んだにおいです。


日本にもこんな場所があったなんて。

さらに進んで丘を越え、また越えても丘…

標高が高いからか、霧が現れたり流れたり。

一寸先は闇ではなく霧。あかるい。人の声はするのにみるみるうちに姿は見えなくなる、不思議な現象です。

髪の毛がどんどん濡れてきて、まぎれもなく雲の中にいるのだなあと実感。


新作のHILL SCOPEピクニックを持って、風景を覗く。

HILL SCOPEで見た、木彫の丘越しの本当の丘。

これがしたかったんだなあ。どこを切り取っても絵になります。


四国カルストは、丘全体が牛たちの園。

朝露をたくわえたアザミがきらきら

早朝にスケッチにでかけたら、丘のまわりは雲海になっていました。

合間から見える山の天辺が、朝日を浴びて鮮やかに。

とても寒いので、9月なのに完全に冬装備。

夜は霧に包まれていたので、星は見れなかったけれど

また来てねってことだと思う事にして、後ろ髪をひかれつつ帰ってきました。


日本にもこんな丘がある。宝物がひとつ増えた気持ちです。

思い出をありがとう四国カルスト、またこよう。

YUMU KUMADA

熊田悠夢 木彫作家

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